Thursday, December 20, 2012

岡さま、ありがとうございます


2012年12月20日


現存する古代マヤの『ドレスデン絵文書』の存在を知ったアルゼンチンでの 12月 21日の「スピリチュアルな集団自殺」予防措置のニュース



Cerro-Uritorco-cerrado.jpg
▲ アルゼンチン政府によって登頂ルートが閉鎖されたウリトルコ山。フェイスブックの書き込みで、12月21日に「精神的な集団自殺が起きる」可能性が示唆されていました。
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今回は、アルゼンチン当局がフェイスブック上で企画された「12月21日の集団自殺」の懸念のためにアルゼンチンのウリトルコ山という山への立ち入りを禁止したというニュースをご紹介しようと思っていましたが、
調べていくうちに、前振りが完全に他の方向に進んでしまいました。

それは主に、
・過去の「終末」とカルトの集団自殺について
・現存する古代マヤの絵文書について


です。

アルゼンチンのニュース自体は記事の一番下に翻訳しましたが、前振りとして、上のふたつののことを少し書いておきます。

ちなみに、今回のアルゼンチンのニュースに関して、「集団自殺」と書きましたが、フェイスブックの原文では「 massive spiritual suicide 」とあり、「
精神的な集団自殺」ということになっているようで、「精神的な自殺」ということがどういうことをするものかを想像するのは難しいですが、アルゼンチン当局が立ち入り禁止措置までしたのは、実際に過去に「終末」に関わる集団自殺には枚挙にいとまがないからです。




終末論と集団死は常に密接に関係してきた


私はもともと若い時に、
ガイアナの人民寺院の、1978年の集団自殺の際に、殺戮の現場にいた人(新聞記者)の本を読んだ時に、大変にショックを受けて以来、「カルトの集団自殺」というのは、研究・・・というか、調べるのが好きな分野のひとつでした。

詳しくここで書いても仕方ないですが、過去にも「終末」というような概念のもとに自殺、他殺を含めて大量死を敢行した団体は多く、ここ 20年くらいで多くの人の印象に残っているのは、米国で1997年に集団自殺した「
ヘヴンズ・ゲート」と、1990年代に警察と壮絶名銃撃戦がテレビでも放映された、米国の宗教団体「ブランチ・ダビディアン」ではないでしょうか。

上はそれぞれが日本語の Wikipedia にもなっています。
抜粋しておきます。

ヘヴンズ・ゲート
ヘヴンズ・ゲート(Heaven's Gate)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴを拠点に活動した、UFOを信仰する宗教団体である。1997年のヘール・ボップ彗星出現の際に集団自殺を行い、消滅した。


この「ヘブンズ・ゲート事件」は、私個人にとっても非常に印象が残っているものです。なぜなら、
ヘブンズ・ゲートは「インターネットのホームページで自分たちの主張を記した宗教団体」の走りだったからです。

1990年代の始め頃というのは、まだ「個人のホームページ」というもの自体が極めて少なく、「ホームページを持っている」というだけで注目を浴びたような時代でした。私もそうでしたが、普通の人がサイトを持てるようになったのは、1995年前後くらいだったと思います。

その中で、ヘヴンズ・ゲートは、1990年代の初頭から下の表紙のホームページを持っていました。

heaven-gate.jpg

ここに書かれてある主張は

地球は今、「リセット」(一掃、一新、若返り)の時にあり、人が生き残るためには地球から旅立つことが唯一の道だ。「人間」の肉体は「旅」の手助けをする乗り物に過ぎない。



というものだったようです。

そして、
彼らはヘール・ボップ彗星とともにやってくる宇宙船に魂を乗せるためとして、指導者のアップルホワイトという人と 38人の信者が自殺しました。

しかし、上のような思想って今でも同じように持っている人たちというのは結構いるのではないでしょうかね。


少し悲しかったのは、ヘヴンズ・ゲートの信者たちは、その集団自殺の時に、ほぼ全員死亡したので、「上のホームページのメンテナンスも削除もなかった」のでした。

なので、
かなり長い間、上のホームページの表紙はそのままでした。

正確にはわからないですが、多分、何年間も残っていたと思います。
たまにサイトを見に行って、「まだあるんだなあ」と思っていたものでした。


次に「ブランチ・ダビディアン」ですが、こちらは「
世界最終戦争を信じていた団体」で、そのため、行動もラストも壮絶でした。


branch.jpg
▲ 教会に立てこもったブランチ・ダビディアンと、アメリカ爆発物取締局との銃撃戦の様子。ダビディアン側は武器弾薬に加え、1年分以上の食料を備蓄し籠城。最終的に、ブランチ・ダビディアンは降伏せず、 信者 81名が死亡。アメリカの捜査官の死者は4名


ブランチ・ダビディアンの概要は下のようなものです。

ブランチ・ダビディアン
ブランチ・ダビディアン(Branch Davidian)は、アメリカ合衆国を拠点とする新興宗教であり、プロテスタント系のセクトである。

ヨハネの黙示録による終末思想を思想体系とする小さな教団に過ぎなかったが、1990年代から選民思想を説き、ブランチ・ダビディアンの信者達だけが最終戦争に生き残ることを神に認められた民と位置づけた。

最終戦争に向け武装化を推進し、大量の銃器を不正に獲得、司法当局やマスメディアに注目されるに至る。

1993年2月28日、強制捜査が行われるが、ダビディアンはバビロニア軍隊に攻撃されるであろうとの予言を信じていたため、連邦捜査官をバビロニア軍隊と思い込んだ信者の応酬はすさまじかった。

テレビ局のカメラの前で銃撃戦の様子が放映され、世界中に衝撃を与えた。



というようなものです。


他にも、大なり小なりの無数の「同じような思想の団体」が
今もあるはずで、多分、個人的な自殺も含めれば、12月21日から22日あたりは、相当数の「類似したこと」が起きると思われます。

ただし、いわゆる大きな団体によるものはなさそうですので、ほとんど報道もされない「単なる自殺」ということになると思いますが。


といわけで、現代社会で何度も繰り返されてきた「終末のための死の儀式」出来事が多分、またこの数日でたくさん起きるのだろうというような話でした。もちろん、そういうような考えや死んでいく人を否定したりはしません。

ただまあ・・・過去に何度か記したことがありますけど、「この世の終わり」という概念そのものが「この世」には存在しない、ということをずいぶんと学習したこの2年くらいだったと思います。

いくらどうしても、「この世の終わり」というのは概念としてこの世に存在できないようです。

でもまあ、面倒くさい話の記事は嫌われる傾向にありますので、次の話題にいきます。


次は、今回知った、「
マヤの絵文書」についてです。



スペイン人から制服される以前の古代マヤ人が残した「世界が大洪水で壊滅するページ」で終わっている現存するマヤの『ドレスデン絵文書』



dresden-02.jpg
▲マヤ人が残した絵文書のうちのひとつ『ドレスデン絵文書』。Dresden Codex Project(ドレスデン絵文書プロジェクト)というサイトで多く見ることができます。


このマヤの絵文書については、日本語で書かれた PDF 資料を見つけましたので、リンクしておきます。東北学院 榴ヶ岡(つつじがおか)高等学校の多々良穣という教諭の方が書かれた下のものです。

マヤ文明の精神文化解明に向けての一考察

その中には以下のように書かれてあります。


スペイン人制服以前の古代マヤ人による資料とは、『ドレスデン絵文書』、『グロリア絵文書』、『マドリード絵文書』、そして『グロリア絵文書』のいわゆるマヤ絵文書がある。

ここには、暦や予言、マヤの神々、儀式などが描かれており、これまで多くの研究で古代マヤにおける宗教を知るための手がかりとされてきた。



というもののようです。

下のようなものもインターネット上には多くありますが、これは色彩がオリジナルか復元されたものかはわかりませんが、少なくとも内容は「現物」であり、マヤ人たちがこのような「絵による書物」で、何かを現していたようです。

綺麗だなあとおもいます。


dresden-de-01-1.jpg



dresden-de-02-2.jpg



そして、今回初めて知ったのですが、「マヤ文明による世界の終わり」という概念は、この『ドレスデン絵文書』にも描かれていると言う人たちがいるのだそう。


『ドレスデン絵文書』のラストのページは下の絵文書で終わります。

dresden-codexlastpage.jpg
▲ ドレスデン絵文書の最後のページ。The Dresden Codex より。


これが何を示しているのかは、文字の説明があるわけではないですので、具体的には「誰も」わからないでしょうが、現在での一般的な解釈として下のようにななっているようです。モノクロにして文字を入れました。

dresden-codexlastpage-2.jpg

というようなことが上のリンクの「a href ="
http://www.crystalinks.com/dresdencodex.html" target="_blank">The Dresden Codex」に書かれてありますけれど、この解釈が正しいかはわからないです。

というか、「時期」って、やはりわからないような気がするんですけどね。

でも、このマヤの絵文書は、デザイン的にも何だか気に入りましたので、今度、まとめてご紹介しますね。

ということで、もう何が本記事だかよくわからなくなりましたが、ここからが、アルゼンチンの「聖なる山」への立ち入り禁止の翻訳記事です。


Argentina Closes Mountain Over Mayan Calendar ‘Suicide’ Warning
Epoch Times 201.12.19
マヤカレンダーとの関係での「12月21日の集団自殺」を予防するためアルゼンチン政府はウリトルコ山への登頂ルートを閉鎖


dresden-codex-1.jpg
▲ マヤ文明の絵文書として現存している4つのうちのひとつ『ドレスデン絵文書』の最後のページには、「空の龍」が水を吐き出す絵、つまり大きな洪水を示唆するページで終わっている。

アルゼンチン政府は、2012年12月21日に「世界が終わる」と信じている人々によって、自国の山が「集団自殺の現場」となることを懸念して、山頂へのルートを閉鎖する決定をした。

その山は、アルゼンチンのコルドバ州にあるウリトルコ(Uritorco)山で、同国にまだ先住民が多く住んでいた頃に聖地として崇められていた。

最近になり、12月21日の「終末の日」に山頂へ登り「大規模なスピリチュアルな集団自殺」( massive spiritual suicide )を呼び掛けるメッセージがフェイスブック(Facebook)上に投稿されたため、麓のカピージャデルモンテ町の当局は山への立ち入りを12月20日~22日の間、禁止することを決定した。

当局によると、フェイスブック上では 150人ほどがスピリチュアルな集団自殺に参加を表明していたという。

町の当局者は以下のように述べる。

「これはあまりにも狂気(カルト)的な話だし、仮にそのようなことが軽率に行われてはいけないと判断し、今回の立ち入り禁止措置をとった。観光客の多い場所でもあるので、他の観光客の保護という観点もある」。

その間は、山に登ることはできないが、観光客たちは麓の町で、イベントなどに参加して楽しむことができると当局は語る。

最近では、米国の NASA までが「12月21日に世界が終わることはない」というようなことを表明したりもしていて、マヤに関しての報道は多い。

多くのマヤの研究者たちは、古代マヤ人が残した遺跡や絵文書には「この世は終わりは示されてはいない」と考えているというのが最近の主流の見解だ。




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